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2022.11.24 抄読会

2024.04.18

今回読んだ論文は少し志向を変えて、院外心停止時の難治性心室細動患者に対する新たな除細動方法についての論文です。
もし、街中で目の前で心肺停止に出くわしてAEDで何度ショックしても成功せず、救急車も到着しない、なんて場面があったら試してみても(?)

 

<今回の論文>

1. Cheskes, S. et al. Defibrillation Strategies for Refractory Ventricular Fibrillation. N. Engl. J. Med. 387, 1947–1956 (2022).

 

<背景>

北米においてVFやPulseless VTを呈した患者の生存率は、PEAやAsystoleの患者よりも高い。しかし、除細動器の技術発展にも関わらず、VF/ Pulseless VT患者の約50%が複数回の除細動でも改善しない難治性心室細動である。
再細動を防ぐためのアミオダロンやリドカインなどの抗不整脈薬も退院までの生存率や神経学的予後良好の生存率を改善することは証明されていない。
Double sequential external defibrillation(DSED)やVector-change (VC) defibrillationといった除細動の方法が院外心肺停止の状況下の症例報告、観察研究、システマティックレビューで報告されている。しかし、これらの報告は最後の治療オプションとして使用されているためバイアス等の問題があった。また、Pilot studyによってDSEDの早期適用は、標準的な除細動よりもVF停止とROSCの割合が高い可能性が示唆されていた。

 

※本論文における難治性心室細動の定義

  1. 初期波形がVF/Pulseless VT
  2. リズムチェックと標準的な除細動を3回施行
  3. 4回⽬のリズムチェックでVFが残存

※本論文におけるDouble sequential external defibrillation(DSED)

※Vector-change defibrillation (VC)

 

<研究の目的>

院外難治性心室細動患者に対して
DSEDとVC除細動
標準除細動と比較して
生存退院率がどうなるか
を評価することを目的した

 

<方法>

 

<結果>

一般化線形モデルによる差の検定では全体として有意な結果が得られた(P=0.009)

DSED群9名、VC群1名

Primary Outcomeの結果は複数の感度分析の結果とも一致していた

 

<考察(抜粋)>

 

<Limitation>

 

論文自体の内容は以上です。
サンプルサイズの問題は残念でした。
今後の研究に期待です。